所長のコラム(師の教え)居合道

四角い物を、丸く転がす。                                     四角い物を、四角く転がすのでは無く、丸く見えなくてはならない。                  上手な人が、転がすと、丸く転がす様に見える。丸く見えるから、丸く転がすのではなく、「角」が無くてはならない。要は、見た通りに真似しても上手にはならない。角と言うのは、基本のことであり、基本が出来ているほど、角が多い。四角と言うのは、角が4つと言うのではなく、基本の1つ、一つを言う。    

基本と言うと、「初心者」がする事と勘違いをして、早く上手になろうとするので、基本を疎かにすると、「節の無い竹」が出来る。「似て非ざる物」が完成される。

所謂、我流、癖の完成である。後で出来た竹に、節を付けることは不可能である。書道で、今日から字を上手に書こうと思っても、癖から抜け出す事は、困難であるように、物事を習うには、最初が、大事である。基本が大事である。節の1つ1つを疎かにしない事である。早く上手になろうとすると、節を飛ばしてまう。いつまでも、正しい基本を大事にして学ぶことである。でも、現実は「正しい基本を教える人」を探すのは難しい。